器用貧乏未満

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映画『関ヶ原』とシン・ゴジラ

司馬遼太郎原作の映画『関ヶ原』見てきました。

とりあえず一言で言うなら「シン・ゴジラ風味の司馬遼太郎作品映像化」。
いやあ〜キャストも展開も良い。あの文庫本3冊分の情報量を中々うまくまとめれてました。歴オタしててよかった!

実は映画公開前にこんなやりとりを見かけて、これはちょっと残念な方に転ぶかとヒヤヒヤしていました。



togetter.com



評論は既に削除されていますが、男は30過ぎると歴史薀蓄をひけらかす、その姿勢が嫌とか、突然出てくる赤い謎の物体(母衣)はこの映画によって家康時代をアゲるトンデモ解釈だ、という内容だったかな。

映画の内容や展開にほとんど触れてないから、歴オタ以外の人から見ると心動くものではないのかな?とか、あまりいい出来ではないのかな〜などモヤモヤしつつ、シバリョのことはそんなに好きじゃないが乗るしかない歴オタのビッグウェーブに!なノリで見たら、め、めっちゃおもろいやんけ……!!!


三成演じる岡田准一はたぶんこれまでの中で一番戦強そうな三成だったし、平岳大島左近の雄感もすごい。雄感すごい平左近にエッロい壇蜜合わせるもんだからもうすごいしか言いようがない。


岡田さんは大河で官兵衛演じてたけど、あの身体能力を存分に使ったシーンが一度(有岡城の前)のみでウーンもったいない!と思った記憶があるので、殺陣シーンあるのは嬉しかったです。
あぐらの状態からスッと立ち上がるのがむちゃくちゃ美しくて体幹どうなってるんだろうな…


東出昌大の秀秋もも〜〜むちゃくちゃ良い。裏切り者になるまでの板挟み感や葛藤などは、原作も同じ展開かもしれないけど映画冒頭から描かれる感情のゆらぎや悲愴が伝わってむちゃくちゃ良かった。
秀次との関わりから、豊臣と徳川どちらを選ぶかっていう展開は昨年の真田丸でもあったけど、より丁寧に描いてるなあと思いました。

でもやっぱ、話の展開はエンタメや人間の成長を見たい人向きではないかな。喋るの早いし、人多いし、専門用語多いし。
歴史もので関ヶ原をやるなら避けて通れない部分だけど、せめて官職名の表記くらいはあってもよかったんじゃないかな?という印象です。
そしてそのモヤモヤをぶっ殺す戦闘シーン、最高。あの長時間の戦闘シーンは大河ドラマじゃ見れないし大画面の迫力も映画だからこそですね。


最後の展開がすでに決まっていて、そこまでの話をどう作り上げていくか、最後をどう盛り上げていくかという点と喋るスピード、専門性を貫く点において映画「関ヶ原」は実質シン・ゴジラ風味だなと。
歴史ジャンル内で関ヶ原の合戦が持つスケール感、期待感、結構叶えてくれたんじゃない?と思うのでした。

とりあえず身体能力を最高に魅せてくれた岡田准一石田三成最高だったので軍師官兵衛リターンズやってほしい。