器用貧乏未満

色んなことに興味があるオタクのうわごと

返礼祭を迎える推しがしんどい


あんさんぶるスターズ!をプレイして1年と少し経った。そして今日、初めて推しの返礼祭を迎える。
約1年前始めた時は、まさかこんなに早く推しの返礼祭が来るとは思わなかった。いつか来ることだけど、その日が来るのはもっと後だと思っていた。斎宮宗、君も夢ノ咲学院を卒業するんだね。



あんスタの世界観は転校生が夢ノ咲学院に転校し、プロデューサーとして歩み始める4月〜翌3月までの1年間の繰り返しだ。
その中で「返礼祭」はさっくり言うとホワイトデー〜卒業シーズンに行われるドリフェスで、 下級生たちが主体となって卒業する三年生とのライブである。

卒業イベントでもあり、転校生がアイドルたちと関わってきたこれまでの関係の集大成でもあり、あんさんぶるスターズにおける世界観の終着点でもある(と思う)。



あんスタをはじめたのはちょうど『ホリデーパーティー』のイベント中で、当時手に入れた特効スカウト☆5が斎宮宗だった。プレイ数日の身にとって貴重な☆5であり、レッスンスキルが「青ジュエルの全サイズの取得数がアップ」なもので序盤は助けられた。ありがとう斎宮宗。
何より開花後がむちゃくちゃ良い。(斎宮宗の高レアカードは開花前と開花後のギャップがすごいといつも思う)


その時は人形で腹話術とかするし山伏国広みたいな笑い方だし変なヤバい奴だと思っていたのに、年明けに友人のスマホでイベスト『糸の先のマリオネット』『天の川にかける思い』を読んだ後はしんどいばかり口にしていた。
ファミレスの一角でドリンクバー片手に斎宮宗の持つ愛の深さ、情熱、神経質だが思いやりの滲む台詞を読みながらこれから親愛度高めるのがんばろう、そう決めていた。



彼の所属するユニット・Valkyrieは格式高く情熱的なユニットであり、統率と規律を重んじ、繊細な表現が際立つユニットである。ユニットのモチーフには人形と時計が多く登場し、リリースされている4曲のユニットソングの歌詞にもたびたび出てくる。


「人形」はよく同じユニット内のなずなやみかに向けられる言葉だが、そこには意志の無さ、傀儡といった意味ではなく、よりもっと深い愛情のこもった斎宮宗にとっては最大級の賛辞に近いと思う。(『糸の先のマリオネット』を読んでほしい)
人形を持たない人形師に存在価値が無いように、価値のある人形があってこそ人形師は輝けるのかもしれない。


それに加えて「時計」は、ある種「人形」と対照的にも思える。

斎宮宗は『スカウト*ノクターン』にてアイドルすら芸術に昇華させたい思いを吐露しているが、そのパフォーマンスは「針の通す隙間すらないほど」完全に調律されたものでなければならないと言う。
新しい芸術を創るためには後世から見てもその価値が分かる、不朽の価値観を見いだせるものでなくてはならない。しかし人として生きる限りは時間との戦いだ。成熟も行き過ぎればやがて腐ってしまう。


それに反して、人形は破壊されない限り、手入れすれば長い間同じ形を保ち続ける。人のように勝手に老いることは無い。

完璧に調律された理想をかたどったもの、ふさわしきものが斎宮宗にとっての「人形」なのではないだろうか。



だからこそ、今回『モーメント*未来へ進む返礼祭』のタイトルに感慨を覚えずにはいられない。
確かにfineとの闘いでValkyrieの完全な世界観は崩された。活動の停止期間だってあった。
それが、返礼祭の季節を迎えて進もうとしている。その瞬間が近づいている。


あんさんぶるスターズの世界における、推しが夢ノ咲学院のアイドルとして過ごした日の終わりを知ってしまうことに怖さもあるけれど、留めていた時間がまた動き出す喜びもある。
一生に一度の推しの返礼祭をきちんと胸に留めたい。