器用貧乏未満

色んなことに興味があるオタクのうわごと

『いだてん』は確かに大河ドラマだった

二週間の放送延期を経て、『麒麟がくる』が放送された。

自分で言うのもなんだが、わたしは中学からのまあまあディープな戦国オタクである。
明智光秀は最推しの戦国武将とのつながりも深いため、キャストが発表されるたび
萌えで憤死するのでは?っていうくらい期待していた。

放送延期が知らされた時は別の意味で憤死するかと思ったけど。



麒麟がくるの感想はまた改めて記すが、初回拡大75分がマジでマジで体感10分だった。


解説に進行を任せすぎず、最低限の会話でだんだん展開が広がっていくさま。
真田丸』『直虎』でも描かれた、国衆の関係、人身売買、戦災孤児のえげつない描写。
智将のイメージが強い光秀が、関所でほぼカツアゲみたいなってる民をかばうことなくスルーしていくところも
京の街中で不自然に道に転がっている(おそらく死んでる)人が見えてないかのように通り過ぎるさまも
そうそうこういう神も仁もない世界観、見てみたかった!とうなるものばかりだった。


毎年大河ドラマツイッターで実況しているのだけど、TLの歴史オタクもほとんどが総じて『麒麟がくる』初回には大いに満足していた。

例年、大河ドラマの放送が始まると、マスメディアが「視聴率が~~~NHK関係者によると~」とかクソ面白くない便乗目的のクソほども中身のないテンプレ批判記事を載せたりしているのだが、今回はけっこう好意的な(??)記事が多かった印象だ。


www.asahi.com

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大丸印象診断がアクティブだった根暗


9月になってもう3日経ってるとかウソだろおい。以前記事にした印象診断について、またまたレポを書きたいと思います。
以前の記事↓

inukowai.hatenablog.com



というわけで、昨年10月に受けたパーソナルカラー診断からイメージコンサルタントとでも言うんでしょうか。
そういった自分の見た目に最適なスタイルをしるための診断がめちゃくちゃ気になりまして。7月半ば、再び大丸に赴き印象診断を受けてきました~~~イエ~~


大丸の印象診断はパーソナルカラー診断と同じようにファッションナビにて行います。約20分で1080円と時間もお値段もタイトなので、骨格・パーソナルカラーより気軽にチャレンジできそうな気がします。


dmdepart.jp



パーソナルカラー診断を受けた時と同じく、あまり化粧で差異が出ないように(そして仕事帰りでドロドロに落ちてたので)ほぼすっぴんで行きました。余裕のある方とかはナチュラルメイクとかでも問題はなさそう。



前回パーソナルカラー診断を受けていたこともあり、その時の診断のおさらいをサラっとして診断がはじまりました。
どのようにして診断していくか、第一印象はどう決まるのか、どんな印象(顔のタイプ)があるのか、などなど。

この時にたまたまつけていたセザンヌのカラーティントリップのローズを褒められました。やっぱローズしっくりくるんだなあ・・・
カラーティントリップ : 商品ラインナップ : CEZANNE/セザンヌ化粧品



紹介にもある通り、顔の形(輪郭や頬のふくらみ)、目・鼻などのパーツの位置や特徴(大きい・小さいetc)から自分の第一印象を分析していきます。
その時説明で何となくわかったのが顔の印象を決めるのは 幼さor大人 と 曲線or直線 の組み合わせだということ。
それによってクールだったりフェミニンだったりといろいろ印象が変わっていくのだそうです。へ~~


結果は以下の12種類。

キュート・ソフト・クラッシィ・ゴージャス・アクティブ
センシティブ・ミステリアス・フレッシュ・ボーイッシュ
トラディショナル・インテリジェント・クール



個人的にはクラッシィとか、顔は濃くないしパーソナルカラーがソフトサマーだからソフトとかかなあ~となんとなく思っていました。



そして早速モニターに映る診断チャートから、自分の顔と同じものを選んでいきます!!!

診断項目は顔の形や輪郭の線、眉毛の太さ、目の大きさ、鼻の高さと大きさなど。
「第一印象を分析」するからか、結構サクサク進んでいった気がします。まあ確かに第一印象でつぶさに顔のパーツを吟味して考えるってあんまりないしね。そこは直観重視なのかなあと思いました。


鼻を見られて「大きさも高さもバランスが良いですね」とかつり目だと思ってたのが「水平ですね~眉毛の形もあって少しつり目に見えるかもしれません」などなど、自分の印象とは違うコメントを頂けてかなり新鮮でした。







気になる結果はな、なんと


アクティブ!!!!!!!


自己診断のソフトと真逆じゃねえか!!!!
大人目の顔立ちで曲線と直線がミックスしているタイプでした。
いただいたシートには「本能的に、ポジティブ。まっすぐな情熱。バイタリティと存在感あふれるひと」。

これだけ見るとめちゃくちゃパリピじゃん…私休みは極力外に出たくないし3日くらい家に居ても全然飽きないオタク(というか根暗)だぞ・・・



しかしこの印象診断はあくまで「顔」を見た時のものなので、その人の性格やライフスタイルと直結しているわけではないのだそう。

プラスの印象は、活動的(エネルギッシュ、いきいき、きらきら)。
反面、マイナスの印象として男勝りで粗野にも見えるのだとか。


診断していただいた方からは「山登りとかバスケが得意そうだなと思っていました」とのコメントを貰いましたが、山登りしたことないしバスケは体育の授業で完全にトラウマなので来世になってもやりたくないスポーツです…



印象診断アクティブのファッションアドバイスとしては「温かみのあるアースカラーがぴったり!」とのこと。
オイオイパーソナルカラーと真逆じゃねえか!!似合うって言われた色のほとんどが寒色系だったぞ…??


と困惑していた所、追加でアドバイスをいただきました。
私の場合、アクティブな印象を暑苦しすぎないためにするには
マイルドですっきりしたパーソナルカラー(夏、くすみのある色)を使い、すっきりとさせる、のがぴったりなのだそう。
パーソナルカラー診断を受ける前から感じていた、赤が壊滅的に似合わない理由は色味と肌の関係もだけれど顔のタイプとして過剰すぎたのでは、と少し合点がいきました。



そもそもパーソナルカラーがソフトな色合いだからと言って、自分の印象までソフトにする必要はないはず。
色は色、印象は印象、骨格は骨格で似合うものの重なるところを抜き取ればいいのだな~と感じました。



という感じで、たったの20分で再び自分専用のバフを知ることができました。バフが分かればその分似合うものを身に付けていけるし、なんとなく自分の外見も肯定できるような気がします。




なにより一生涯日常生活でガンガン使えるし。
ファッションに疎いものからすれば道しるべのように頼もしい知識だなあと思いました。
ここまで来たら最後は骨格診断を受けてバフ効果を3倍に引き上げていきたいですね・・・!





そしてそして最近はヒプマイの曲ばっかり聞いてます。めっちゃくちゃいい曲ぞろいだよね。



ヒプノシスマイク 麻天狼「Shinjuku Style~笑わすな~」

ゲームを知らないオタク

今週のお題「ゲームの思い出」


私は、世間一般の目から見ればオタクに分類される人間だと思う。アニメも見るし、物心ついた時から絵を描き、BLで男同士を乳繰り合わせてはソシャゲでガチャ爆死している。
だからオタク趣味じゃない人より、アニメやゲーム好きなオタクの人達との方が話が合う。


だけど、オタク話でゲームの話題となると本当に分からなくなる。私はこれまでの人生でほとんどゲームをしたことがない。オタクとして振る舞うには、あまりにゲーム経験がないオタクなのだ。



辛うじてやったことがあるのは、GBAのハリポタとテトリスPS2でグラセフとBSRくらい。あとは下手くそすぎるダンスダンスレボリューションポップン太鼓の達人
有名所のFFも、ゼルダも、ドラクエも、ポケモンも、どうぶつの森も、マリオも、スマブラも、モンハンも、スプラトゥーンも。どれも触ったことがない、私のオタク人生に組み込まれてこなかったものだ。小さい時からこの作品達に触れて、好きになってきた人間ではない。

だから、ゲームの話題に花が咲くと、いつも「私はオタクと振舞ってていいのだろうか」と違和感を感じる。

反面、これらのゲーム作品が小さい時から好きで、血肉として馴染んできた人達の事をうらやましくも思う。世界観に夢中になり、楽しい思いを同じ趣味の仲間と大人になっても語り合えるのだから。



私も、今からでもプレイしたらいいって思う。話についていきたいなら、今からでも遅くない。それに、ゲーム作品の無知をわざわざ気にかけることもない。
でも、私が求めてるのは「オタクとして振る舞うにふさわしいゲーム作品を若い頃から知ってること」なのだ。その1点、ひとつだけがうらやましくて、どうしようもなく手に入らない。

その1点の違いに、私はオタクとして振る舞うことにためらいを感じる。はりぼての人間になったみたいで、心が重たくなる。


今からでも遅くないだろうか。
有名所を今更プレイしてみたいと思うゲーム下手くそ人間でもオタクと名乗れるだろうか。
今更プレイしなくたって、有名所すら知らなくたって、オタクと名乗り続けていいだろうか。

どこの誰とも知らない他人にステータスの承認を求めるのもアホくさい話だが、ゲームの話に花が咲くたび、思い出の中にも違和感をずっと抱いてしまう。

パーソナルカラー診断を受けたオタク、印象診断を知る


大丸ファッションナビでパーソナルカラー診断を受けてからはや9ヶ月。めちゃくちゃ経ったな!?
3240円でほぼ生涯現役で使えるバフを手に入れられるなんてめっちゃくちゃお得。
おかげさまでその後メイク用品や服でとんでもない失敗をすることもなくなりました。ファッションをどうにかしたいけどどうしたらいいか分からないオタクにとって優しいサービスだ…

しかしなんかまだあるモッサリ感。垢抜けなさ。色やメイクはまだ目をつぶれる(と思う)範囲なんですが、服の似合わなさ、何…???なんなんだろうマジで


個人的に首が短いのと肩幅狭いのにがっちりしてるので、冬場のタートルネックやフリフリしたやつは避けていて、夏場もあまり首が詰まってないやつを着ることが多いんですがそれでも時々モッサリしてる。
あと服の素材でめっちゃ二の腕の肉が目立ったり腹回りが目立つやつね。腹回りが異常に主張されて臨月か??ってなる。

そして特に似合わないのがスポーティーなラフな格好!!!ラフな格好好きなのに!!!パーカー+デニムとか20代なのに元々の垢抜けなさもあって40代に見えてしまうんですよね…



パーソナルカラー診断を知ったオタクなので服装とかスタイル系でもないのかな〜と気になってたのですがあった。あったよ。「骨格診断」「印象診断」とやらが。


骨格診断は人がそれぞれ持つ骨格を知り、そのいい所を引きだしていくような服装を探り当てるやつ。

印象診断(=パーソナルデザイン)は人がそれぞれ持つ雰囲気や骨格も少し交えて最適なデザイン系統を探り当てるやつ。
みたいです。



自己診断でまあ傾向だけつかんでおけば良いっしょ〜と思ってたのですが、パーソナルカラーの時に自己診断と真逆だったのを思い出しまた診断を受けに行くことにしました!
個人的に印象から入って行くほうが自分のスタイルを作り上げやすいかな?と思ったので印象診断から先に受けます!!ヒューーッッ

偶然にもキャンセル空きを見つけたので今月中に受ける予定です。骨格診断もむちゃくちゃ気になるので今年中に受けてみたいと思います!

それまではちょっとだけ知識を増やしていきます!楽しみ!


美人だけが知っている似合う服の原則

美人だけが知っている似合う服の原則

そして推しのユニソン聞いてテンションぶち上げて行きます!🤘🤘

返礼祭を迎える推しがしんどい


あんさんぶるスターズ!をプレイして1年と少し経った。そして今日、初めて推しの返礼祭を迎える。
約1年前始めた時は、まさかこんなに早く推しの返礼祭が来るとは思わなかった。いつか来ることだけど、その日が来るのはもっと後だと思っていた。斎宮宗、君も夢ノ咲学院を卒業するんだね。



あんスタの世界観は転校生が夢ノ咲学院に転校し、プロデューサーとして歩み始める4月〜翌3月までの1年間の繰り返しだ。
その中で「返礼祭」はさっくり言うとホワイトデー〜卒業シーズンに行われるドリフェスで、 下級生たちが主体となって卒業する三年生とのライブである。

卒業イベントでもあり、転校生がアイドルたちと関わってきたこれまでの関係の集大成でもあり、あんさんぶるスターズにおける世界観の終着点でもある(と思う)。



あんスタをはじめたのはちょうど『ホリデーパーティー』のイベント中で、当時手に入れた特効スカウト☆5が斎宮宗だった。プレイ数日の身にとって貴重な☆5であり、レッスンスキルが「青ジュエルの全サイズの取得数がアップ」なもので序盤は助けられた。ありがとう斎宮宗。
何より開花後がむちゃくちゃ良い。(斎宮宗の高レアカードは開花前と開花後のギャップがすごいといつも思う)


その時は人形で腹話術とかするし山伏国広みたいな笑い方だし変なヤバい奴だと思っていたのに、年明けに友人のスマホでイベスト『糸の先のマリオネット』『天の川にかける思い』を読んだ後はしんどいばかり口にしていた。
ファミレスの一角でドリンクバー片手に斎宮宗の持つ愛の深さ、情熱、神経質だが思いやりの滲む台詞を読みながらこれから親愛度高めるのがんばろう、そう決めていた。



彼の所属するユニット・Valkyrieは格式高く情熱的なユニットであり、統率と規律を重んじ、繊細な表現が際立つユニットである。ユニットのモチーフには人形と時計が多く登場し、リリースされている4曲のユニットソングの歌詞にもたびたび出てくる。


「人形」はよく同じユニット内のなずなやみかに向けられる言葉だが、そこには意志の無さ、傀儡といった意味ではなく、よりもっと深い愛情のこもった斎宮宗にとっては最大級の賛辞に近いと思う。(『糸の先のマリオネット』を読んでほしい)
人形を持たない人形師に存在価値が無いように、価値のある人形があってこそ人形師は輝けるのかもしれない。


それに加えて「時計」は、ある種「人形」と対照的にも思える。

斎宮宗は『スカウト*ノクターン』にてアイドルすら芸術に昇華させたい思いを吐露しているが、そのパフォーマンスは「針の通す隙間すらないほど」完全に調律されたものでなければならないと言う。
新しい芸術を創るためには後世から見てもその価値が分かる、不朽の価値観を見いだせるものでなくてはならない。しかし人として生きる限りは時間との戦いだ。成熟も行き過ぎればやがて腐ってしまう。


それに反して、人形は破壊されない限り、手入れすれば長い間同じ形を保ち続ける。人のように勝手に老いることは無い。

完璧に調律された理想をかたどったもの、ふさわしきものが斎宮宗にとっての「人形」なのではないだろうか。



だからこそ、今回『モーメント*未来へ進む返礼祭』のタイトルに感慨を覚えずにはいられない。
確かにfineとの闘いでValkyrieの完全な世界観は崩された。活動の停止期間だってあった。
それが、返礼祭の季節を迎えて進もうとしている。その瞬間が近づいている。


あんさんぶるスターズの世界における、推しが夢ノ咲学院のアイドルとして過ごした日の終わりを知ってしまうことに怖さもあるけれど、留めていた時間がまた動き出す喜びもある。
一生に一度の推しの返礼祭をきちんと胸に留めたい。


生まれた街の白さが羨ましかった


ここ数日の冷え込みは心身ともにやる気を失う。めったに雪の積もらない地域も、雪が積もりあちこちでいろんなトラブルが起こっている。まあ今住んでる所は特に雪での被害は無く、ただただ寒いだけだが。
だから冷え込みと雪の厳しい中、最近の北陸東北など雪国からの北から目線やライフハックは非常に頼もしい。さすが北から目線。しばらく参考にさせてほしい。


故郷は雪?なにそれ美味しいの?な亜熱帯気候で、雪なんてテレビとおとぎ話の中だけのものだった。成人して数年経っても、雪が降れば未だに犬のように公園ではしゃぎ周りたい。さすがに大人が公園で一人はしゃいでたら職質待ったなしなので雪だるまをコソコソ作るくらいに留めている。

小学校の頃は、北海道の姉妹都市提携を組んでいる市からクール便で発泡スチロールに詰められた雪だるまなんが送られてきた。
その雪だるまも、冬の年間最低気温が11~12℃が当たり前の地元の暑さで、冷凍食品コーナーの氷よろしく変化していたり。それでも発泡スチロールに詰められた、数時間前までふわふわ舞っていた雪が何1000kmと離れたこの小学校まで来たのが嬉しかった。初雪を見るたび、いまだにあの溶けかけの雪だるまを思い出してときめいてしまう。

大学で本州に来てからも、はじめて見た雪ははじめ誰かが屋上から発泡スチロールをちぎってるのかと思ったし、日本海側出身の友人から雪の上を歩く時のコツなんかも教えてもらうたびカッコイイ!の感情が強かった。あの時のコツと道路の凍り具合を見極める知識は今でも役に立っている。ありがとうな!



人生の半分以上が雪と縁もなかった所なせいか、未だに雪国ならではのライフハックや知識には感嘆と憧れがある。
雪国の人からすれば何メートルも積もるし、朝から除雪しなきゃ通勤通学もできないしで迷惑なものかもしれないが、大量の雪とともに生きてるのだからやっぱり憧れる。SNSなんかで雪国からの冬場のライフハックを見かけるたび、自分にはないこれまでの体験で冬を乗り越えていく雪国の人達がかっこよく思え、また羨ましくもある。


私などはハブの出てきそうな場所と台風の進路予想図を見ながら停電時どのDVDを見るか考えるしかできない。それもまた違う環境の人にとっては特別なライフハックなのかもしれない。

ETV特集を見て思うこと


再放送でETV特集の「熱き島を撮る 沖縄の写真家 石川真生」を見た。



沖縄は今でも基地の島だ。基地周辺はヘリの騒音が日常生活に溶け込み、県全土では年に数回(いや数十回?)不発弾のニュースも聞く。
基地の人間が婦女暴行、不法侵入、窃盗したニュースも同時に届く。アメリカ統治下時代には小学校に戦闘機が墜落し死傷者も出た。アテネ五輪のあった年には大学にヘリが墜落したし、今月は小学校にヘリの窓部品が落下している。


基地があるゆえに起きたニュースは、沖縄県民のまだ濃い沖縄戦の記憶を何度も思い起こさせる。
その一方、数年前までは基地内で働くための専門学校があったし、基地があることで恩恵を受ける住民も少なからずいる。助成金だってほかの都道府県より多いと聞いた。



ただ、沖縄県のすべてを基地で語れるといったらそれは違う気がする。



私の地元は沖縄だ。沖縄のいちばん南の、八重山諸島で生まれ育った。那覇より台湾の方がはるかに近いところである。

沖縄本島から離れていても同じ県に生きる者として、その県で起こった記憶を共有するのは当然だ。
だから、毎年6月になれば学校の課題として祖父母から戦争体験を聞き、「月桃」を歌い、「さとうきび畑」を聞いた。



平和集会では本島から来た地上戦の戦争体験者の話を聞き、図書館に展示された沖縄戦当時の戦争パネルを見て、その恐ろしさに平和であってほしい、という気持ちを大きくしてきた。けれど八重山には米軍基地がない。地上戦も行われなかったかわりに、強制疎開による戦争マラリアで多くの住民が命を落としている。

それでも進学で八重山を出るまでの18年間、戦争の記憶として教えられたのは基地の島・沖縄と、地上戦による苦しみがほとんどだった。





母方の祖母は10人兄弟の1番上だが、自分と末弟以外の兄弟をマラリアで亡くした。認知症で時々昔のことを話すとき、1番むごたらしい亡くなり方をした弟の名前を何度も何度も呼んでいた。


父方の祖母は強制疎開の時は臨月で、疎開先で初めての子を産んだ。けれどその子も1歳にならずマラリアで亡くなった。父の実家の2軒隣は嫁いできた嫁以外の家族が全員マラリアで命を落としている。


だから私のなかで一番身近な戦争の記憶はマラリアの高熱で苦しみ、その後の飢えで生き地獄を生き抜いた祖父母たちのことだ。
何度も何度も平和教育を受けるたび、同じ「沖縄」だけど違う島で起こったことを伝えられるばかりで、八重山の人間が体験した戦争は、沖縄の戦争の記憶とは違うのだろうかと思うようになった。




高校生の時、県全体の高校文化祭で沖縄本島に行ったことがある。文芸部門で参加し、同じ沖縄の高校生が書いた小説や詩や、短歌を目にした。
私の知らない基地のある日常と住宅街を仕切るフェンスから見る空、ヘリの騒音による憤りが作品につづられているものが多かった。リアルな実感と描写について先生たちが作品を品評していた。
私は文化祭が終わってから今でも、あの時触れた作品の風景をリアルな沖縄として実感したことがない。




沖縄県で米兵による犯罪なんて年にごまんと起こる。本州で放送されているのは本当に一部で、いちいちそれに憤っていたら疲れきってしまう。けれど憤らなくてはいけないのだ。それぞれの先祖が成しきれなかった敵討ちでもあるだろうし、今の現実を変えたいからかもしれない。



米軍基地がらみで何度も被害者となったやりきれない気持ち、怒りを露わにするたびに、沖縄の人は基地のある生活・地上戦の記憶を何度も再生する。
それなのにこっちは基地なんてないし、地上戦もなかったんだけど、と冷めた気持ちで見てしまう自分がいる。



もちろん地上戦の凄惨さは理解している、地上戦の後土地を奪われた話だって学んだ。もう二度とあってはならないと思う。はたから見れば私もうちなーんちゅの一人だし、そうだと思ってはいても何度も憤る沖縄の人と相容れないという気持ちがわいてしまう。
一部の沖縄本島の人が言う八重山ヒジュルー(八重山の人間は心が冷たい)の言葉のように、八重山で生まれたからこんなことを思うのかもしれない。




本土復帰後3度目の沖縄県知事・西銘順治の「ヤマトンチュ(本土の人)になりたくてもなりきれない心」という言葉がある。
沖縄の人が、本土の人になりたくてもなりきれない心なら、沖縄の人として疑問を抱く私はいったいなんなんだろうと思う。沖縄本島外で生まれた沖縄の人間はいったいどうやってうちなーんちゅである意識を作ればいいのだろう。

沖縄が怒りに燃える熱き島ならば、怒りの原因である基地の生活・地上戦を経験した先祖を持たない私はいったい何者なのだろう。



ひどい厨二病を患っているのかもしれない。自意識過剰なだけかもしれない。
だから普通の生活では絶対言わないけれど、いつこのもやもやした気持ちにけりをつけられるのかと、時々思う。